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東銀座 / bar cacoi / 大場 健志さん × BIRDY. カクテルシェーカー

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新しい道具があれば、味わいに広がりが生まれる。
その広がりこそ、自分の歓び

初めて手に取ったとき、自分の腕が上がったような錯覚を覚えた

 生来新しいモノ好きで、今までと違うモノに歓びを感じるタイプです。Birdyを初めて触ったのは、昨年11月に行われた先行販売会で。いつもと同じようにシェーカーを振ってみたところ、「あれ、混ざり方が違う」と実感しました。確か「グラスホッパー」、「ホワイトレディ」、「ギムレット」を試作したのですが、特にクリーム系のカクテルは口当たりがふわっと柔らかくなめらかに仕上がり、自分の腕が上がったような錯覚に襲われました(笑)。道具って何でもそうですが、実際に使ってみて初めて、その面白さがわかりますよね。いつもと勝手が異なるシェーカーに興味を覚えて、1セット購入しました。

 以来、Birdyをメインに使っています。当初は独特の丸みを帯びたシェイプに慣れが必要だと思いましたが約半年経って、シェイプだけではなくBirdyの個性にも少しずつ親しんできたようです。

 Birdyを使う場合、混ざり方が変わってくるので、カクテルの設計図やシェーカーの振り方をアレンジして使っています。いつもよりシェーカーの振り方を控え目にしてみたり、振る時間を短くしたり。例えるなら、炭火焼き一本でやってきた店がオーブンを導入してみた、そんなイメージでしょうか。炭火焼とオーブンのどちらがおいしいかという問題ではなく、同じ素材を使いながらも調理方法のバリエーションが増えることで、提供できる味わいが広がる。その方がより、お客さまに喜んでもらえるんじゃないか。そんな風に考えています。

 自分が築き上げた方法論をアレンジすることに抵抗を感じる方もいらっしゃるのかもしれませんが、僕はむしろそこに面白さを見いだすタイプなのでしょう。

Birdy.半年の試行錯誤を経て、自分らしさを表現できるように

 半年間使ってみてわかったことがあります。混ざり方もそうですが、氷の溶け方が少ないのでクリーム系やブランデー系を使うカクテルとの相性がいい、ということ。次に、Birdyを使う場合はカクテルの口当たりがよくなる分、ボディ感を強調した方がいい、ということ。ボディを強調するということは飲み応えに通じますから、お客さまからの評判もいいですね。

 例えば「ギムレット」の場合、いつもより少しだけ甘みを加えます。すると甘み、酸味、コクなどのバランスが整い、立体的な味わいになります。そもそもの「ギムレット」はご存知のようにコーディアルライムを使っていましたが、フレッシュライムを使えるようになってドライに仕上げるようになったという経緯がある。ところで、Birdyを使えばドライでかつ、ライムの心地いい酸味を引き立てる甘さも感じられる、そんなカクテルに仕上げられます。

 原点回帰しつつも現代に則した味わい、そんなネオクラシックのスタイルに自分らしさを模索したいとき、Birdyは頼もしいツールになってくれるのです。

(2014年5月)

Pick Up Cocktail

サイドカー

Birdyの丸いフォルムを意識して、スローイングで作る大場さん流のサイドカー。冷やしておいたホワイトキュラソーが空気に触れるにつれ、ブランデーの香りが広がっていきます。香りが開いたところでスローイング、さらに「立体的にステア」するイメージで柔らかくシェイクして仕上げます。

Recipe
  • ブランデー・・・35ml
  • ホワイトキュラソー・・・15ml
  • オレンジキュラソー・・・10ml
  • レモンジュース・・・1tsp

  • 1. ホワイトキュラソーはあらかじめ冷凍庫に入れ冷やしておく。
    2. すべての材料をグラスに入れカクテルの味を組み立てる。
    3. 香りが開いてきたらグラスとシェーカーのボディを使い、8回スローイングする。
    4. その後、丸いフォルムを意識して柔らかくシェイクする。


大場 健志さん

大学卒業後、一般企業に就職した後にバーテンダーを志す。新宿のバーで修業した後、2006年に独立。一昨年「bar cacoi」を東銀座にオープン。現在は「クラフト」に注目しているという大場さん、曰く「作り手の意図や意思が伝わるような酒を使って、その良さを引き出せるようなカクテル、そしてバー作りをバーテンダーとして行っていきたい」。


bar cacoi

東京都中央区銀座3-14-8 銀座NKビルB1F
アクセス:地下鉄日比谷線・都営地下鉄浅草線東銀座駅から徒歩2分
TEL:03-6264-0590
営業時間:18:00-翌2:00
定休日:火
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