初めて振ったとき、驚くほどしっくりと馴染んだ

　Birdyはもともと、うちの男性スタッフが見つけてきました。かねてより「シェーカーにはこだわりたい」という思いを抱いていたスタッフで、自費で購入し自宅で使っていたようです。そのうち彼はBirdyを職場に持ってきて、自身でカクテルを作る時はそれを使うようになりました。確かに価格は普通のシェーカーより少しだけ高価ですが「やっぱり使ってみたいよね」、スタッフ同士でそんな話をして導入を決めました。1年前のことです。

　初めてBirdyを振った時、まったく違和感を感じなかったことが印象的でした。むしろ、しっくり馴染みましたね。これは小柄な体格の女性バーテンダー特有の悩みかもしれませんが、私は手が小さいので男性のようにシェーカーを持つことができないのです。その点、Birdyは私の手にもジャストフィット。この独特の丸みを帯びたフォルムなら包み込むように持つことができ、すっぽ抜ける感じがしないのです。今まで使っていたシルバーのシェーカーは使用しているうちにシルバー独特のゆがみが出て、トップが抜けるのでは...と気になっていましたが、Birdyを使うようになってそうした心配が一掃されました。

　現在はバーとラウンジを合わせて、8個のBirdyがフル稼働しています。マンダリン バーは多いときで170人のお客さまがいらっしゃいますから、Birdyも相当、酷使されていますね。シェーカーはカクテルではなく、飲み手の好みやリクエストによって使い分けています。お客さまがまろやかな口当たりを求めているのか、香りを際立たせたいのか、あるいはハードシェイクで仕上げるのか。そのなかでも今日、おつくりする「ジャックローズ」はまろやかに仕上げたいのでBirdy向き。ごくごくスタンダードな一杯ですが、ローズのアクセントで私なりのアレンジを加えています。Birdyでシェイクすると、香りもぐっと引き立ちますから。